“紬(つむぎ)”って何ですか?カジュアル着物・紬ワールド入門編

大島紬

2021年生まれの子どもの名前ランキングが発表されましたね。男の子の一位は「蓮(れん)」、女の子では初めて「紬(つむぎ)」が一位となりました!

というわけで、今日のテーマは着物の「紬」。“紬ちゃん”の名前がメジャーになるというのに、日本人として紬を知らないわけにはいくまい(キリッ)!というもっともらしい理由をつけて、紬について調べてみました(笑)。

美しい光沢と動きやすさを兼ね備えたカジュアル着物、紬。この機会に、紬ワールドに足を踏み入れてみてはいかがですか?

紬とは

紬は、紬糸(つむぎいと)を用いて織られた織り着物。さまざまな色に染めた糸を組み合わせ、縞や格子、草花など複雑な模様を織り上げて作られます。各地域の特色にもよりますが、総じて美しい織り模様と落ち着いた光沢、絹ならではのサラリとした軽い着心地が特長です。

紬はもともと、売り物用の良質な絹をとったあとに残るくず繭を再利用し、養蚕農家が自分たち用の野良着として作ったものでした。しかし、その上品な光沢や織りの風合い、丈夫な布質などが人気を呼び、次第に広く愛され、高価な価格で取引されるようになっていきました。こういった背景などもあり、高品質・高価格な紬であっても、あくまで「おしゃれな日常着物」として分類されているようです。

紬NGの場所とは?

着物の格や種類など、基本的な着物ルールも気になるところ。結論から言うと、名高いブランドの高価な紬であっても、紬はフォーマルシーンには向かないようです。

普通の紬であれば、お稽古や観劇、友人との買い物や食事といった、おしゃれな街着として楽しむのがオススメ。

フォーマル感のある「紬の訪問着」でも、ホテルの食事会や結婚式の二次会、観劇などにとどめるのが無難と言われています。

結婚式や入学式、式典やパーティーなど、格式を重んじる場では、訪問着や附下げ、色無地といった染めの着物を選ぶようにしましょう。

コーディネートあれこれ

紬と合う帯は、「名古屋帯」「半幅帯」です。

少しきちんと感を出したいときは落ち着いた色柄の名古屋帯でお太鼓を、カジュアル感を出したいときはカラフルな半幅帯を巻くなど、シーン別に使い分けてみましょう。

もっと個性的に楽しみたいなら、ビビッドカラーの半衿と現代柄の帯を合わせてみたり、長じゅばん代わりにタートルネックにブーツ、ベルトとファーの小物などを組み合わせて遊んでみるのもオススメですよ。

フォーマルシーンでなければ、着物のルールやお作法を気にする必要はありません。洋服も着物も同じ。自分らしく、自由にファッションを楽しみましょう!

ちょっとウンチク・紬の種類

かつて日本各地で養蚕が盛んだったため、紬の産地は北海道から沖縄まで広く分布しています。今でも50以上の産地が、その土地ならではの模様、染色法などを使った地域色のある紬を作り続けています。

代表的な紬の産地は、以下の3つ。国の重要無形文化財に指定されているものあります。

■大島紬(おおしまつむぎ)
鹿児島県奄美群島で作られる紬。奄美で生息する植物の汁と泥土を使い、糸を染め上げて作る。独特の色合いとつやのあるシャリっとした質感。草花や幾何学模様、更紗模様などの緻密で繊細な織りが特長的。

■牛首紬(うしくびつむぎ)
石川県の白山の麓で作られる。ひとつの繭に二頭の蚕が入った特殊な繭を使い、糸の紡ぎ出しから製織までほとんどが手作業で生産される希少な紬。柔らかい着心地ながら、布地に釘にひっかけても釘の方が抜けると言われ、「釘抜紬(くぎぬきつむぎ)」の別名を持つ丈夫さも特長。

■結城紬(ゆうきつむぎ)
城県結城市を中心に、栃木県にまたがる鬼怒川流域で作られている。空気をたくさん含んだ真綿から、丁寧に手で糸を紡ぎ出す製法が特長。軽くて柔らかい肌当たりと、丈夫で皺になりにくく、保温性に優れた布質で人気がある。


ほかにも、新潟の塩沢紬、長野の信州紬、上田紬、東京八丈島の黄八丈などがあり、それぞれ独特の個性を持っているので、気になった方はチェックしてみてくださいね。

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