2023年の1月に、東京電力をはじめ大手の電力会社が、経済産業省へ大幅な電気料金の値上げ申請をおこないました。
原油価格などが若干落ち着いていることもあり、当初の予定より値上げ幅は小さくなりましたが、それでも4月からの値上げ自体は免れない状況です。当初の値上げ申請では、28〜45%ものアップ率が見込まれていました。もし当初の予定どおり値上げが決定すれば、私たちの生活にかなりの打撃を与えていたでしょう。
今後、いつまた電気料金が大幅に値上げされるとも限りません。電気料金が値上げする理由をしっかりと押さえて、これからどのように対策するべきか、いちどじっくりと考えてみませんか?
2023年実際にどのくらい電気料金は値上げするのか
前述のとおり、2023年度の値上げは、4月(一部6月)から適用されます。当記事の作成時点では、まだ正確な値上げ時期と金額は発表されていません。今回は45%もの大幅な値上げは回避できそうですが、これからどうなるのかは余談を許さない状態です。
じつは、電気料金の値上げは今回が初めてではありません。東京電力を例にあげると、2021年に入ってから値上げ傾向が続き、わずか1年で1,836円も値上がりしています。(2021.3月〜2022.3月)
将来の予想は、誰にも不可能です。しかし、こういった明確な値上がり傾向をみる限り、これからも電気料金はどんどん値上がりするものと考えて、急激な値上げへの対策をしっかりと考えておく必要があるでしょう。
電気料金が値上がりした理由
電気料金の値上げ対策を考えるなら、まずは 値上げの理由をきちんと理解しておかなければなりません。電気料金値上げのもっとも大きな理由は、石油や天然ガスといったエネルギー原料価格の高騰です。
ご存知のように、今なおロシアとウクライナの戦争は続いています。ロシアは世界第3位の石油産出国です。制裁への対抗処置として石油の輸出を制限しており、世界各国で石油の争奪戦が起きています。
日本におけるロシアの石油輸入のシェアはそれほど大きくありませんが、こうした世界的なエネルギー資源不足が、発電コストに大きな影響を与えているのは間違いありません。
なお、原料価格の高騰以外に、託送料金(送電線の使用料)の値上げなども、電気料金の値上げの一因となっています。託送料金は家庭用電気料金の3〜4割を占めているので、託送料金が上がれば、当然電気料金も大きく値上がりするわけです。
電気料金の値上げに対して私たちはどういう対策を取るべきか
電気料金の値上げに対して私たちが取るべき対策は、大きく3つ。
• 節電や省エネへの取り組み
• 適切な電力会社のプラン選択
• 再生可能エネルギーの活用
まず、やるべきことは、使用電気量の削減です。たとえば、「エアコンや照明の使用時間を短くする」「省エネ家電への買い換え」「エコ給湯器など省エネ設備の導入」などが考えられます。環境省によれば、10年前の冷蔵庫を省エネ冷蔵庫に買い換えるだけで、約50%も省エネが可能だそうです。
次に、 電力会社のプランをじっくりと比較検討してください。今は各電気小売業者の競争が激しく、従来よりも低料金で契約できるチャンスです。初期投資は多少必要ですが、時間帯別電力やエコ電力といった省エネプランを利用すると、電気料金を大幅に節約できるかもしれません。
同様に、もし100万円単位の設置費用を用意できるなら、太陽光発電の導入も検討の価値は大いにあります。余剰電気の販売には期待できないとしても、テレワークの普及で日中自宅にいる時間が増えた今こそ、太陽光発電の本領発揮です。
また停電時にも電気が使えるため、防災的な意味でも、導入のメリットは決して小さくありません。補助金が利用できれば、設置費用も大幅に削減できるので、興味のあるかたはぜひ専門の業者に相談してみてください。