暮らしと音楽の「密」な関係。vol.11|音楽を聴く機会、1位はYouTube 今後のトレンドは音楽とのゆる〜いおつきあい!?

テレワークが増えたことで、家で音楽を聴く機会が増えた……という意見を多く耳にするようになりました。音楽を聴きながらの作業は「集中できる」「気が散ってしまう」と意見が大きく分かれるところだと思います。音楽は耳ではなく脳で聴くものですから、大好きなアーティストや、ノリの良い音楽に集中してしまうと作業効率は落ちてしまいがち。反対に脳からα波が出ている状態が集中に最適な状態となるので、気持ちを上げる×律動性を伴わない楽曲を選ぶのがおすすめです。

ノリノリの音楽は作業中には適さない
こんな音楽なら作業にも集中できる!?

しかし、音楽を聴くのにCDをかけるという人は少ないようで、最も多いのはYouTubeであるという調査結果が出されました。

参考サイト

https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20220607-00296604

音楽試聴においては2位がテレビ、3位が定額制音楽配信サービスと続き、CDは4位となりました。若い世代の家には再生装置がないという家庭も珍しくありませんので、これも時代の流れでしょう。

私もよくYouTubeをチェックしていますが、その多くがスマホかPCによるもの。高音質再生には向かないフォーマットですので、ミュージシャンの意図する細部へのこだわり(ベースの音質やギターのエフェクト、アンサンブルの内声など)は100%伝わるものでもありません。と考えると、近年「音楽を聴いている」という世代は、じっくりと音楽に対峙するものではなく、比較的ライトな向き合い方であるといえるのかもしれません。

そのような世代に対しては、これまで通常とされてきたトータル2時間近いライヴを通しでみる……というようなことは苦行に思えることもあるでしょう。そう考えると、音楽のあり方も聴き手に合わせてよりライトなものになっていくのではないでしょうか。時代を反映したゆる〜い音楽が出てくるのを楽しみにしたいものです。

大伴公一 | Koichi Otomo
(ミュージック・ソムリエ / 愛猫家)

立命館大学を卒業後、音楽専門誌ジャズライフの編集を経てブルーノート・ジャパン/モーション・ブルー・ヨコハマに勤務。2018年にはモントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパンのプロデューサーに就任。現在は文筆業の傍ら、ジャズ番組のナビゲーターや横濱ジャズプロムナードのプログラムディレクターも務めている。ミュージックソムリエ。

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