現在住んでいるマンションが、急に修繕積立金を値上げすることになった。もしこういった修繕積立金の値上げトラブルに巻き込まれた場合、どのように対応するのがベストなのでしょうか。
今回は、マンション修繕積立金の値上げトラブルを回避する方法として、3点の重要なポイントを解説していきます。
まずは修繕積立金の具体的な値上げ金額を明確にする
修繕積立金の値上げ通知がきたら、まず具体的な値上げ金額をしっかりと確認してください。いくら値上げに反対であっても、その値上げの理由と金額が妥当であれば、そこは割り切って支払うしかありません。
外壁の修繕・屋上の防水処理・劣化した配管の交換など、やるべき修繕工事を放置すれば、建物の資産価値は著しく目減りしていずれは住めなくなってしまいます。
問題は、値上げ額が妥当かどうかです。古い修繕計画が基準になっている場合、そもそも設定した金額が時代にそぐわなくなっている可能性もあります。また現在では建築現場の人件費が高騰していることもあり、値上げはやむを得ないことも多いのです。
そういった修繕積立金の妥当性をチェックする意味でも、値上げの理由と金額をしっかりと確認することから、まずは対応していきましょう。
大規模修繕の周期を伸ばせないか検討
必要なら値上げを受け入れるしかないとはいえ、できるだけ値上げは避けたいのが住民の本音でしょう。であれば、大規模修繕の周期を伸ばせないか、いちど検討してみる価値は大いにあります。
大規模修繕工事の内容と周期は、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」をもとに作成されているケースが一般的です。たとえば外壁塗装の周期は、12年周期が基準になっています。これを、15年あるいは20年周期にできないか、検討してみるわけです。
実際、2021年に改訂された長期修繕計画作成ガイドライン※では、外壁塗装の周期は12〜15年と幅をもたせた表記に変更されています。
もちろん、実際に周期を伸ばせるかどうかは、専門家との打ち合わせが必須です。もしかしたら、周期の延長は不可能かもしれません。でも、修繕積立金の値上げを回避したいのであれば、古い修繕計画を見直す意識はもっておいて損はないと思います。
※参考:長期修繕計画標準様式 長期修繕計画作成ガイドライン 長期修繕計画作成ガイドラインコメント
管理会社への委託内容を見直す
あまりにも納得のいかない値上げを提示されるようなら、思い切って管理会社の変更・もしくは委託内容の見直しを検討するのもひとつの方法です。
本来マンションを管理するのは、住民から構成される「マンション管理組合」です。しかし、マンションの維持管理には専門的な内容が多いため、管理を「マンション管理会社」へ委託するケースがほとんどだと思います。
長期間同じ管理会社と契約していると、どうしても慣れが生じてしまいがちです。場合によっては複数の管理会社で入札をおこなうと、競争原理が働いて、管理費(修繕積立金を含む)を削減できるかもしれません。(もちろん適正な積立金は必要です)
いずれにせよ、マンション修繕積立金の値上げ問題に対して、個人にできることは限られています。日頃から他住民とコミュニケーションを図り、修繕積立金について相談できる関係づくりを心がけてください。
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